日々の些細な絵.
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2016年 2月 .


28日 29日
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走る人々

鳴り止まぬ声援浴びて行くランナー


西の空

沈む陽も早々隠れ二月逃げ

25日 26日 27日
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午前零時

玄関の冷えた朝刊拾い読み


朝の日向ぼっこ

狭き道光り飛び込む日向ぼこ


黄色い花

名前なに黄色き花に声掛ける

22日 23日 24日
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濡れ光る街

肩濡らし友待つ夜の街滲み


春待つ夕暮れ

そこかしこくしゃみの響き春の音


帰り道

ランナーとすれ違う風春兆し

19日 20日 21日
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朝の道

朝の道陰引き締まり余寒かな


冷たい雨

傘ひとつ肩寄せ歩き寒戻り


丘の上の洋館

武蔵野の春を見下ろし静嘉堂
 
16日 17日 18日
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それぞれの朝

朝並木人は走りて犬歩き


春始まる

鳥騒ぎ河津桜や満開に


四谷の館

路地の奥佇む館味極む
 
13日 14日 15日
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石垣と老梅

主無き城跡栄華名残り梅


日差しと雨粒

幾千も傘へし折られ春一番


儚き雪

寒戻り儚き六花(りっか)夜の道
 
10日 11日 12日
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土塀の道

白い塀越えてささやく水の音


偉大な館

眩さにまばたき忘れ迎賓館


朝の通学路

朝霞跳ねるふたつのランドセル
 
7日 8日 9日
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眩しい通り

香り立つ人形焼や春隣


片寄せる看板

北風に首を冷やされ空見上げ


日の出

春浅しベランダ出て(いでて)大くしゃみ
  
4日 5日 6日
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日陰からの光景

立春や光りと陰は冬のもの


朝の陽射し

悴む手ポケットから出し日にかざす


石段の上

悴む手蕾突いて春触る
  
1日 2日 3日
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細い雨

肩濡らし夜道で思う温奴


冬の朝

枯れ木立朝日を受けて影縺れ


佇む梅
香り追い荒れた庭中梅一本
 


+2016年 2月 .                                              .