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 石垣島トライアスロンに挑戦して体験したこと、思ったことなどを記録として書き(描き)残しました。

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その9「瞑想の時間」


こりゃぁ、体が、足が変だぞ!?

今さっきした妄想は嘘のように消え去っていた。

体が、足がメチャ重い。
重たい荷物を背負っているような感じがする。

脚が勢いよく前に出せない。

暫く走ると感覚が戻るかな?
と思ったが、1キロほど進んでも
体全体の重い感覚はとれなかった‥‥

前方の選手を爽やかに抜き去り
順位を一気にあげるどころではない。

その逆のシーンが脳裏をかすめた。
軽い絶望的な気分になったけど、

またここでも気持ちを切り替え、
タイムを気にせず今のベストで走ろうと思えた。

意外と切り替えが早い自分に感心もした。

この段階でかなり疲れていたので
時間なんてどうでもいいと言う気持ちになったのも確かだ。
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ペースを呼吸がキツくなる寸前まで上げ
姿勢と呼吸が乱れないように走った。
時計は見ない。

ここで自分の諦めの悪さを感じる。

兎に角我慢し頑張った。
どう転んでもあと数十分で終わるのだ。
永遠に続く我慢じゃない。
と思いながら‥‥

かなり諦めが悪いと再確認。

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直射日光こそ無いが兎に角暑い。
頭部に熱が溜まってる‥‥

すでに水分は十分取っていたので
給水所で水は飲まずに受け取ったコップの水を
頭や首にかけて暑さを凌いだ。

無理すりゃこりゃぶっ倒れるな‥‥
でもまぁ〜ヤバくなりゃ止めればいい。
と思い構わず走り続ける。

実際、リレーの部で出場していた仲間の一人が
このランの最中ぶっ倒れ、救急車で運ばれた。

結果的に無事でよかったけど‥‥
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前を行くペースが落ちてる選手を
何人も追い抜いたと思うけど
はっきりと思い出せない。

ただ前へ前へ進むだけ‥‥
徐々に思考は停止状態に‥‥

ランのコースでは沿道で応援する人が
すごく多い。
でも声援はあまり耳には入ってこない。
苦しさのあまり脳が現実逃避をはじめていた
ようだ。走ってる感覚も薄れる。
何を考えて走っていたのかも憶えて無い。

後で思ったんだけど
このランでの状態って「瞑想状態」だったんじゃないの?

瞑想ってしたことないから
分からないけど‥‥
兎に角、心は無の状態だったような気がする。

ただ気を失う寸前だっただけかも‥‥(笑)

そんな状態で走ってた自分のけなげさに泣けてくる。

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またつづく(次が最後)
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